ご依頼の経緯
S様(30代・男性)は、自閉スペクトラム症(ASD)により、学生時代から対人関係や学業に困難を抱えていました。当初、自力で障害年金の申請(請求)を進めようとしたものの、必要書類の収集や「病歴・就労状況等申立書」を作成する際に、生い立ちからの状況を整理することに大きな困難を感じ、当事務所へご相談いただきました。
担当社労士のコメント
S様は初診が大学時代であり、遡及請求を希望されていたため、まずは当時の状況を詳しく伺うことにしました。
ヒアリングを通じて、S様が大学時代(障害認定日時点)に抱えていた苦悩が明らかになりました。講義への出席が困難だった理由として、友人関係の構築ができず、情報共有の機会がなかったこと、人混みで強い不安を感じ落ち着けないことなどがありました。大学1年から外出も困難となり、必修単位を取得できず留年。さらに休学へと至り、日常生活も家族の全面的な支援に頼っていた状況が確認されました。
復学後も、聴覚過敏による集中困難やグループ作業への苦痛が続き、学校側の支援(ノートテイカーの利用、途中退室の許可、欠席分の補填など)を受けながら、なんとか卒業に至ったという事実を詳細に整理。これらの情報を病歴・就労状況等申立書に丁寧に記載し、S様の障害特性と日常生活上の困難さを明確に伝えました。また、診断書にもこれらの内容を適切に反映していただき、遡及請求を行いました。
審査の結果、障害基礎年金2級の認定と、約420万円の遡及受給が決定しました。
お客様からのメッセージ
「これまで安定した仕事に就けず、生活も厳しい状態が続いていましたが、障害年金が無事に決まり、本当にホッとしています。自分の状態を上手に伝えられなかった分、丁寧に聞いてまとめてくださったことに感謝しかありません。少しだけ、気持ちが楽になりました。本当にありがとうございました。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。