ご依頼の経緯
T様(20代・男性)は、双極性障害のため10代の頃から長期にわたり通院を続けてこられました。躁と鬱の波が激しく、特に鬱状態のときは無気力感が強く、最低限の生活動作すら一人で行えない状況になることもしばしばありました。
現在はA型事業所に通所されていますが、家ではほとんど横になっていて、実態としては自立した生活とは程遠い状態でした。障害年金の手続きを一人で進めるのは精神的にも体力的にも無理があり、インターネットで調べる中で当事務所のホームページを見て、ご相談くださいました。
担当社労士のコメント
やりとりについては「後から見返せる形が安心」とのご希望があり、連絡はすべてメールで実施。T様の体調やペースに合わせて丁寧にヒアリングを進めました。
今回のT様のケースでの最大のポイントは、「A型事業所で働けている=生活に支障がない」と誤解されないようにすることでした。実際には、T様が働けているのは、事業所側が多くの配慮をしてくれているからであり、それがなければ就労の継続は難しいという状況でした。具体的には、事業所では以下のような配慮がされていました。
- 突発的な体調不良による欠勤や早退を柔軟に認めている
- 対人ストレスを減らすため、業務連絡はすべてチャットで実施
- 担当する作業は、簡単なルーティン作業に限定されている
こうした背景を申請(請求)書類に詳細に記載し、「見かけの就労」と「実際の就労能力」のギャップが審査側にしっかり伝わるように工夫しました。
また、事業所以外での生活についても、ヒアリングをもとに丁寧に整理。さらに、躁状態と鬱状態それぞれの影響についても、日常生活の具体的な変化として記載しました。
その結果、障害基礎年金2級が認定され、年額83万円の受給が決定しました。
A型事業所で働いていても、「配慮がなければ働けない」実情があれば、障害年金が認められる可能性があります。就労中でも申請をあきらめず、まずは専門家にご相談ください。
お客様からのメッセージ
「ひとりでは進められなかったので、お願いして本当に良かったです。無事に障害年金2級が認められて、生活に対する不安が少し軽くなりました。とてもとても感謝しております。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。