ご依頼の経緯
S様(30代・男性)は、大学時代に双極性障害を発症し、以降長期間にわたり通院を続けてこられました。病状が特に悪化した時期には大学を休学し、復学しても単位取得が思うように進まず、同級生よりも卒業が遅れました。卒業後も定職に就くことはできず、アルバイトを短期間で転々とするような不安定な就労が続いていました。ご本人いわく、ストレスへの耐性が極端に低く、職場の環境に適応できずにすぐに体調を崩してしまうとのことでした。
そのような中、「遡って障害年金を請求できる可能性があると知り、自分も対象になるか不安だけれど相談してみたい」とのお気持ちで、当事務所へご連絡をくださいました。
担当社労士のコメント
今回のケースで特に重要だったのは、障害認定日と現在の両時点における生活状況と支援状況を、審査機関に対して的確に伝えることでした。S様の場合、認定日時点では大学在学中でしたが、休学期間中でした。一般的に、「在学中=就学できている」と見られがちですが、実際には病状が悪化して通学すら困難な時期だったのです。
私たちは遡及請求が認められる可能性があると判断し、大学時代の休学状況や留年の経緯、卒業までにかかった年数、さらには復学時の支援状況などを詳細にヒアリング。また、卒業後も定職に就くことができず、短期間のアルバイトを繰り返していたという事実も、ストレス耐性の低さや労働能力の不安定さを裏付ける情報として丁寧に整理しました。
加えて、S様は現在、婚約者と同居しており、日常生活の多くを彼女の支援に依存して生活していました。自立した生活ができていない状態であり、その点も医師への報告書や病歴・就労状況等申立書の中で明確にしました。
結果として、障害基礎年金2級が認定され、約270万円の遡及支給も認められました。
お客様からのメッセージ
「過去の状況を整理したり、医師に伝えるべきことをまとめるのは、自分ではとても無理だったと思います。生活に対する不安が少し軽くなり、婚約者にも感謝の気持ちを伝えられそうです。誠にありがとうございました。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。