ご依頼の経緯
T様(20代・男性)は、幼少期から対人関係に不安があり、小学校入学後は担任との相性により登校を渋るようになりました。4年生の頃には強迫性障害と診断され、以後は支援学級に転籍。中学・高校でも友人関係を築くのが難しく、抑うつ症状が悪化。母親の付き添いで登校することが常態化しました。二十歳を過ぎてから転院し、自閉症スペクトラム障害(ASD)との診断を受け、現在も通院・外出には付き添いが必要な状態です。
自立が難しい状況にあるT様を支えるお母様から、「将来を見据えて障害年金の申請を考えているが、どう手続きを進めたら良いか分からない」とご相談をいただきました。精神疾患に特化し、実績がある社労士を探され、当事務所へご連絡いただきました。
担当社労士のコメント
現状を伺うと、T様は就労移行支援事業所へ通所しているものの、体調の波により安定して通うことができず、就労は現実的に難しいことが判明しました。さらに重要だったのは、医師がT様の生活実態を十分に把握していなかったことです。T様は受診時には緊張してしまい、症状をうまく言葉にして伝えられず、「食事も服薬もできている」と医師に誤認されていた節がありました。
実際には、T様の日常生活はお母様の声かけや促しがなければ成立せず、自力での管理は困難な状況です。そこで、「もし一人暮らしをしたらどうなるか?」という観点から、ヒアリングを実施。食事、服薬、外出、衛生管理など生活の各場面でどれほどの支援が必要かを詳しく確認しました。
そのうえで、医師に正確に実情を理解していただけるよう、詳細な報告書を作成。障害年金の診断書および病歴・就労状況等申立書に反映し、申請(請求)を行いました。
結果、障害基礎年金2級の認定と、20歳時点に遡って約400万円の年金が支給されました。
お客様からのメッセージ
「家族のサポートが当たり前になってしまい、医師に何を伝えたら良いか分かりませんでした。でも、丁寧にヒアリングしてもらい、実際の生活で困っていることを一つずつ整理していく中で、私たちも“できていないこと”に改めて気づくことができました。本当に感謝しています。」
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