ご依頼の経緯
R様(30代・男性)は約10年前、システムエンジニアの仕事が多忙であったことと、人間関係のストレスから精神的に不安定になり、医療機関を受診後に双極性障害と診断されました。2年間の休職ののち、障害者雇用枠で在宅勤務を行っています。
障害年金の申請(請求)を考えたものの、初診の医療機関自体が閉院しており、「どうすればいいか分からない」とご相談いただきました。
担当社労士のコメント
障害厚生年金の申請では、初診が厚生年金加入中であるという証明書類があるか否かが非常に重要です。ところが、初診医療機関が閉院してカルテも残っておらず、「受診状況等証明書」を取得できない状況でした。幸いにも、「障害者手帳」の申請時に作成された診断書のコピーがご自宅に保管されていたため、これが大きな手がかりとなりました。そこには初診日が記載されており、これを初診日の証拠資料として利用したことで、初診日証明の障壁をクリアできました。
さらに、R様が在宅勤務に移行してからの働き方や家庭生活についても詳細にヒアリングしました。通勤が免除されて在宅勤務へ切り替えられ、業務負担も大幅に軽減されました。さらに、頻繁に休憩時間を取ることも認められ、手厚い配慮を受けながら勤務を続けていました。また、日常生活では妻のサポートが欠かせず、通院にも毎回妻が付き添い、薬の使用や受診管理もサポートされていることなど、家族の支える体制を明確に書面にまとめました。
これらの状況を整理して医師宛の報告書および病歴・就労状況等申立書に記載し、提出書類全体の整合性を図ることで、「就労はしているが支援が必要な程度であり、症状の影響が大きい」という状況を伝えました。
審査の結果、厚生年金加入中の初診日が認められ、障害厚生年金3級が認められました。
お客様からのメッセージ
「子どももいるので、何とか働き続けなければと無理をしていましたが、これ以上は限界を感じていました。障害年金を受給できることで、経済的な不安が少し軽くなり、本当に安心しました。スムーズに進めていただき、申請まで早かったことにも感謝しています。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。