ご依頼の経緯
Y様(40代・男性)は、長時間労働や過度な業務プレッシャーにより、徐々に不眠や強い倦怠感、意欲低下といった症状が現れ始めました。病院を受診したところ、気分障害と診断され、医師の勧めもあって一旦休職されましたが、最終的には職場復帰が難しくなり退職されました。
その後は障害者雇用での再就職を目指され、いくつかの職場で働いてみたものの、体調が安定せず、どの職場でも長く続けることができず転職を繰り返す日々が続いていました。現在は実家に戻り、ご家族の支えを受けながら、特例子会社にて軽作業に従事されていますが、通勤や業務に伴うストレスで再び体調が悪化している状況でした。
今後も働き続けることに大きな不安を感じるようになり、インターネットで障害年金について調べる中で当事務所のホームページを見つけ、お問い合わせいただきました。
担当社労士のコメント
Y様の場合、初診日は15年以上前でしたが、当時から継続して同じ医療機関に通院されており、初診日の特定に問題はありませんでした。次に、私たちは障害認定日時点の状態に着目し、遡り請求の可能性について検討しました。
障害認定日時点では、Y様は一般雇用で勤務されていたため、書類上では「働けていた=障害が軽い」と見なされる可能性がありました。これは、障害年金の審査において、大きなハードルとなります。
しかしY様から詳しく当時の状況を伺う中で、遅刻や欠勤が頻繁にあり、業務の継続にも大きな支障があったことが判明しました。実際には安定した就労とは程遠く、精神的・身体的に非常に負担の大きい状態が続いていたのです。
そこでY様と相談のうえ、遡り請求を行う方針とし、障害認定日時点の状況を詳細に整理。遅刻・早退・欠勤の頻度、業務中に支障が出た具体的なエピソード、仕事中や終わった後の心身の状態などを報告書にまとめ、診断書作成前に主治医に提出しました。医師にも報告書の内容を理解いただいた上で、診断書に適切な反映をしていただくことができました。
また、認定日前後には複数回の休職を繰り返していたため、当時会社に提出していた診断書の写しも添付し、客観的な証拠として「実際には働けていなかった」ことを補足しました。
さらに現在の就労先である特例子会社における勤務内容や配慮事項についても報告書として整理し、診断書に正確に反映されるようにしました。
結果として、障害厚生年金2級に加え、遡及分は障害厚生年金3級として認められ、約300万円の遡及支給が決定しました。
お客様からのメッセージ
「まさか過去の分まで遡ってもらえるとは思わず、結果を聞いたときは本当に驚きました。働いている自分でも受給できるとは思っていなかったので、専門家に相談して本当に良かったです。おかげで将来への不安が少し軽くなりました。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。