ご依頼の経緯
W様(30代・男性)は、数年前から統合失調症の症状により就労や日常生活に大きな制約を抱えておられました。ご本人は対人でのやりとりが難しい状況にあり、役所や年金事務所での手続きは到底一人では対応できない状態でした。そのため、お母様が「経験のある社労士に任せたい」と考え、専門家を探す中で当事務所にご連絡をいただいたのがきっかけです。
W様は病状の影響で直接お話を伺うことが難しかったため、当初からお母様が窓口となり、必要な情報を少しずつ確認していただきながら進めていく形となりました。
担当社労士のコメント
まず取り組んだのは、診断書を依頼するための下準備です。医師に作成を依頼する際には、単に「書いてください」とお願いするだけでは不十分です。診断書には「日常生活能力」の項目があり、これらを正しく反映させるためには、ご本人がどのような場面で困難を感じているかを具体的に整理する必要があります。そこで、ご家族にヒアリングを行い、「食事は自分で用意できるのか」「通院時は誰かの付き添いが必要か」「買い物や金銭管理ができるか」といった生活の細部を一つひとつ確認し、医師への参考資料を作成しました。これにより、診断書が実態に即した内容で作成される土台を整えました。
次に重要となるのが「病歴就労状況等申立書」です。これは発病から現在に至るまでの経過を、本人または家族が文章でまとめるもので、年金機構が認定を判断する際の重要資料となります。今回のケースでは、ご本人が正確に振り返ることが難しいため、家族と協力しながらエピソードを具体的に掘り起こし、できるだけ矛盾や空白のない形でまとめました。
こうした一連のサポートの結果、遡及請求が認められ、障害基礎年金2級、さらに400万円の一時金が支給されました。
障害年金の申請(請求)は「ただ書類を出せばよい」というものではなく、生活の実態を正しく伝える工夫が不可欠です。特に精神疾患の場合は本人が声を上げにくいため、家族や専門家が一緒に伴走することが受給実現への鍵となります。
お客様からのメッセージ
「病歴を細かく書いたり、診断書の依頼書類を整えたりする作業は素人には難しく、どうしてよいか分からない状態でした。みのり社労士事務所さんにお願いし、必要な情報をこちらから伝えるだけで形にしていただけたのが本当に助かりました。
障害基礎年金2級が認められ、さらに遡及請求で大きな額が支給されることになり、経済的にも今後の生活に大きな支えとなります。本当にありがとうございました。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。