ご依頼の経緯
M様(40代・男性)は10代の頃に強迫性障害を発症し、その後、症状の改善により長期間にわたり精神科への通院を行っていない時期がありました。30代に入ってから統合失調症を発症し、再び精神科への通院を開始しましたが、症状の波が大きく、仕事に就いても長続きせず、安定した生活を送ることが難しい状況が続いていました。
これまで障害年金の申請(請求)を検討したことはありましたが、初診から長い時間が経過していることや、通院していない空白期間があること、さらに短期間とはいえ働いていた時期があったことから、自身では「自分は対象にならないのでは」と感じていたとのことです。しかし、経済的な不安が募る中で、何とか申請できる方法がないかと考え、当事務所へご相談いただきました。
担当社労士のコメント
今回のご相談で最も重要だったのは、「社会的治癒」を適用し、遡及請求の道を開くことでした。
M様は10代で強迫性障害を発症したものの、その後の症状軽快により通院を中断していた期間がありました。そして30代で統合失調症を発症し、再び医療機関への通院を開始しました。こうした通院の中断と再開の履歴は、障害年金申請において「初診日」をどう捉えるかという点で非常に大きな意味を持ちます。
今回のように長期間の通院中断があるケースでは、その中断が「社会的治癒」と認められるかどうかがカギになります。社会的治癒とは、症状が安定し、医療的な支援を必要とせず社会生活を営めていたと判断できる場合に、再発後の初診を「新たな初診日」として取り扱う考え方です。
当事務所では、まずM様の通院歴や症状の変化、就労状況について丁寧にヒアリングを行いました。特に、通院をしていなかった期間における体調や日常生活の様子を細かく確認し、資料として整理しました。また、初診日そのものは明確に特定できていたため、当時の医療機関から「受診状況等証明書」を取得。申請に必要な書類の整備を進めつつ、診断書を医師に依頼する際には、社会的治癒を援用する前提での記載をお願いしました。
また、病歴・就労状況等申立書においても、通院中断期間中の安定した生活状況を客観的に示し、社会的治癒の要件を満たしている点が伝わるよう工夫しました。
さらに、短期間ながら就労歴があった点については、体調の波が大きく、継続的かつ安定した就労が困難であった実情を丁寧に記載し、遡及請求における判断材料として整理しました。
その結果、障害基礎年金2級が認定され、あわせて420万円の遡及支給も認められました。通院の空白期間や就労歴がある場合でも、状況を正しく整理し、制度の趣旨に沿った主張を行うことで、受給の可能性が広がることを改めて実感した事例です。
お客様からのメッセージ
「最初は自分が対象になるとは思ってなく、ダメ元でも相談してみようと思って、みのり社労士事務所さんに連絡しました。社会的治癒という制度はこれまで聞いたこともなく驚きましたが、説明がとてもわかりやすく、納得した上でお願いすることができました。
実際に420万円もの遡及が認められたと知ったときは、本当に信じられない気持ちでした。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。
