障害年金って、名前は聞いたことがありますが
正直、年金=老後のもの、というイメージが強くて…
相談者
そう思われる方、とても多いです。
でも実は、障害年金は“今の生活”を支えるための公的年金なんです。
社会保険労務士
梅川 貴弘
えっ、じゃあ高齢じゃなくても対象になるんですか?
精神疾患や、長く働けない状態でも…?
相談者
はい。対象となる病気やケガはとても幅広く、加入していた年金制度などによって受け取れる種類や金額も変わります。
このあと、基本から順に整理してご説明しますね。
社会保険労務士
梅川 貴弘
障害年金は公的年金のひとつ

障害年金とは、病気やけがによって働くことが難しく、日常生活や就労に支障が出ている方を経済的に支えるための公的年金制度です。
ほとんどの病気やケガが対象となり、うつ病などの精神疾患も含まれます。
障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。
障害の原因となった病気やケガで初めて病院に行った日を「初診日」といいますが、原則としてその初診日に国民年金に加入していた方は障害基礎年金、厚生年金に加入していた方は障害厚生年金を申請(請求)することができます。
障害年金を受け取るには、保険料の納付状況などの要件が決められています。
| 初診日に加入していた年金制度 | 障害年金の種類 |
|---|---|
| 国民年金 | 障害基礎年金 |
| 厚生年金 | 障害厚生年金 |
対象となる障害とは?
大きく以下の3種類に分けられますが、ほとんどの病気やケガが対象となります。症状だけではなく、日常生活や就労への影響の程度によって総合的に判断されます。
①外部障害…視覚障害、聴覚障害、肢体不自由など
②内部障害…がん、糖尿病、心疾患、呼吸器疾患、人工透析など
③精神障害…統合失調症、双極性障害、うつ病、てんかん、知的障害、発達障害など
受給要件
障害年金を受け取るためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
1.初診日の要件
原則として、障害の原因となった病気やケガで初めて病院に行った日(初診日)に国民年金または厚生年金に加入している必要があります。対象となる方は次の通りです。
●障害基礎年金の場合
①初診日に国民年金に加入していた方
②初診日が20歳未満の方(国民年金に加入前)
③初診日が60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間で日本に住んでいる間)の方
●障害厚生年金の場合
初診日に、厚生年金に加入していた方(会社員、公務員として働いていた方)
初診日は、障害年金の申請において非常に重要なポイントです。
「自分の場合、初診日はいつになるのだろう?」と迷われる方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
社会保険労務士
梅川 貴弘
2.保険料の納付要件
初診日の前日において、年金保険料を一定期間以上納付していること。
具体的には、次のどちらかを満たしている必要があります。
①初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、3分の2以上納付(または免除)していること。
②初診日のある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと。
※初診日が20歳前であれば、国民年金保険料を納める義務がないため納付要件は問われません。
3.障害状態の要件
●障害基礎年金の場合
障害の状態が、「障害認定日」(※)または20歳に達したときに、法令により定められた障害等級の1級または2級に該当していること。
●障害厚生年金の場合
障害の状態が、「障害認定日」(※)に、法令により定められた障害等級の1級から3級のいずれかに該当していること。
障害認定日に障害の状態が軽くても、その後症状が悪化した場合には、受給できる可能性があります。
障害の状態を定める日のことで、原則は初診日から1年6カ月を経過した日をいいます。また、1年6カ月以内に病気やけがが治った場合(症状が固定し、治療の効果が期待できない場合を含む)は、その日が障害認定日となります。
障害手当金とは?
障害厚生年金に該当する状態よりも軽い障害が残ったときは、障害手当金という一時金を受け取ることができる制度もあります。これは、初診日の要件と保険料の納付要件に加え、障害の状態が、次の要件に該当していることが必要です。
- 初診日から5年以内に治っていること(症状が固定)
- 治った日に障害厚生年金を受け取ることができる状態よりも軽いこと
- 障害等級表に定める障害の状態であること
障害年金を申請するためには、さまざまな書類を用意・作成する必要があります。
相談先としては、年金事務所や社会保険労務士事務所などがあり、それぞれ特徴があります。
ご自身の状況や負担の少ない方法を考えながら、相談先を選びましょう。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
社会保険労務士
梅川 貴弘
