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[うつ病などの障害年金請求代行]

障害年金の診断書を「書き直し」してもらうには?確認ポイントと料金・依頼方法を解説

  • 投稿:2025年12月10日
障害年金の診断書を「書き直し」してもらうには?確認ポイントと料金・依頼方法を解説

障害年金の申請(請求)に必要な診断書。もし内容に誤りがあったら、どう対応すればよいのでしょうか?

この記事では、精神障害に関する診断書の確認ポイントや、訂正が必要な場合の書き直し依頼の方法、料金などをわかりやすく解説します。

診断書を受け取ったら、内容を確認する

「診断書の中身を確認するなんて、当たり前でしょ?」と思うかもしれませんが、実は意外と確認していない方が多いのが現状です。

その理由のひとつが、診断書が封筒に封をされた状態で渡されること。そうすると、「開けたらいけないのでは?」と遠慮してしまい、そのまま年金事務所に提出してしまう方も少なくありません。

しかし、封がされていたとしても、自分で開封して中身を確認して問題ありません。開けて内容をきちんとチェックすることはとても大切です。

「長く診てもらっている先生だから大丈夫」「経験のある医師だからきっと分かってくれているはず」と思っていませんか?

しかし、どれだけ信頼できる医師であっても、障害年金の制度や診断書の書き方に詳しいとは限りません。初診日が間違っていたり、日常生活の制限が実際より軽く書かれていたりするケースもよくあります。

診断書の内容は、障害年金の等級認定に直接影響します。

「お任せ」で出してしまうと、本来受け取れるはずの年金が不支給になったり、低い等級で認定されたりするリスクがあるのです。

だからこそ、まずは封筒を開けて、内容を確認するところからスタートしましょう。

ただし、一つ注意点があります。

障害年金の診断書には、たとえば「予後」のように、見るのがつらくなるような記載があることもあります。重い病気の方は、余命に関する記載があるかもしれませんし、精神疾患で「予後不良」と書かれてショックを受ける場合もあります。

そうした情報を見るのが怖いと感じたときは、無理をせず、ご家族など信頼できる方に代わりに確認してもらうのもひとつの方法です。または、障害年金に詳しい社会保険労務士などの専門家に相談するのも安心です。

診断書の確認ポイント

まずは、氏名や住所などの基本情報に間違いがないかを確認しましょう。

次に、障害年金の診断書は、すべての項目が審査に影響する大切な情報です。細かいところまで目を通すことが基本ですが、中でも特に注意して確認しておきたい重要なポイントがあります

それが、「傷病名」「初診日」「現症日」「日常生活状況」「就労状況」の5点です。

これらはいずれも障害年金の認定に直結する要素であり、記載ミスや実際の状況との食い違いがあると、不支給や却下となってしまうこともあります。

では、順番にご説明していきましょう。

以下は、診断書(精神の障害用)の表面になります。

精神の診断書(確認ポイント1)

傷病名

まず最初に確認すべきは「傷病名」です。

障害年金の対象になるかどうかは、この傷病名によって大きく左右されます。

たとえば、精神障害の中でも「神経症(不安障害や適応障害、パニック障害など)」に分類される傷病名は、原則として障害年金の対象外とされています。

仮にうつ病や統合失調症の症状があったとしても、神経症の病名で記載されてしまうと支給が認められない可能性があるため注意が必要です。

医師に診断書を依頼するときには、どのような傷病名で書いてくれるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。

初診日

初診日は障害年金の申請全体の起点になる日付で、納付要件や障害認定日の判断にも直結します。

受診状況等証明書や自分の記録と照らし合わせて正確に確認しておくことが重要です。

医師には、事前に取得した受診状況等証明書の写しを渡しておくとよいでしょう。

現症日

現症日とは、「診断書に記載されている診察日」のことを指します。つまり、医師が患者さんの状態を診察した日付です。

認定日請求や遡及請求(遡り請求)をする場合には、現症日が定められた期間内の日付になっているかを確認する必要があります。つまり、「障害認定日から3ヶ月以内」の日付であるかどうかがポイントです。期間外の現症日だと審査対象にならず、せっかくの診断書が使えなくなってしまうことがあります。

また、注意しておきたいのが診断書の「有効期限」です。障害認定日分の診断書には有効期限がありませんが、現在(請求日)の診断書には現症日から3ヶ月以内に提出するという有効期限があります。それを過ぎると無効になってしまいますので、注意しましょう。

診断書を無駄にしないためにも、「現症日」の確認はとても大切です。提出のタイミングとあわせて、日付には十分注意しましょう。


続いて、診断書の裏面にある日常生活状況、就労状況について、ご説明します。

精神の診断書(確認ポイント2)

日常生活状況

同居者の有無

まず「同居者の有無」を確認しましょう。これは、本人の日常生活における支援の必要性を判断するための重要な情報です。

たとえば、実際には家族と一緒に暮らしているのに「無」と記載されてしまうと、支援者がいない一人暮らしと誤解され、日常生活に対するサポートの有無が正しく伝わりません。

この項目は見落とされがちですが、記載ミスがあると大きな影響を及ぼす可能性もあるため、きちんと確認しておきましょう。

日常生活能力の判定

日常生活能力の判定欄では、日常生活の7つの場面(食事、清潔保持、金銭管理、通院と服薬、対人関係など)における制限度合いを、医師が判定し記載します。これは、「単身で生活した場合、可能かどうか」で判断されます。

たとえば、「適切な食事」という項目では、ただ食事ができるかどうかではなく、「一人暮らしを想定して、自分で栄養バランスを考え、必要な食材を買い、調理し、配膳、片付けまでできるか」が問われます。

実際には、家族が毎食準備してくれていて、自分一人だとカップ麺や菓子パンばかりになってしまう、というケースもあるでしょう。しかし、診察の場面では医師から「ごはんは食べられていますか?」と聞かれ、つい「はい、まあ…」と答えてしまいがちです。その結果、「できる」と評価されてしまい、実際よりも症状が軽く見られてしまうリスクがあります。

この「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」の欄は、厚生労働省の『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』に基づき、障害等級を決める際の重要な判断材料となります。

診断書の内容が、実際の生活状況と合っているかを慎重にチェックすることが大切です。

違和感があれば、遠慮せずに医師に伝えましょう。自分でうまく伝えられない場合は、ご家族に説明してもらう、あるいは生活の様子をメモにまとめて医師に渡すのも効果的です。

就労状況

さらに、就労状況の記載も見落とせないポイントです。

現在働いている場合でも、単に「就労中」と書かれているだけでは、障害の程度が正しく伝わらないことがあります。

特に、障害者雇用就労継続支援事業所などで働いている場合には、それ自体が配慮を受けている証拠にもなるため、その旨が診断書に明記されているかを確認しましょう。

また、職場でどのような配慮を受けているかも重要です。

たとえば、短時間勤務、休憩の頻度、業務内容の制限、会社のサポート体制など、実際の勤務状況に合わせた配慮がある場合は、その内容が具体的に記載されているかをチェックします。

表面的に「就労中」とだけ記載されていると、「労働に支障はない」と見なされ、障害の状態が正しく評価されない恐れがあります。

障害年金の診断書は、どの項目も審査に関わる大切な情報です。そのため、全体を丁寧にチェックしましょう。

社会保険労務士梅川 貴弘

社会保険労務士
梅川 貴弘

診断書の書き直し|依頼のコツと料金

診断書を確認して、「事実と違う」と感じた場合は、医師に修正(訂正・追記)をお願いしましょう。

診断書は障害年金の認定に大きな影響を与える書類ですから、納得できないまま提出してしまうと、後で後悔することになりかねません。

実際の障害の状態と記載内容が違う場合は、その旨を具体的に伝えることが大切です。

「日常生活でどのような困難があるか」「どのような支援を受けているか」など、できるだけ詳しく説明しましょう。

たとえば、「1人での外出が難しい」「家族に毎食の食事を用意してもらっている」といった日常の具体例があると、医師も状況をイメージしやすくなります。

そのうえで、「一度ご記載いただいた評価を、再検討していただくことは可能でしょうか」といった形で、あくまでも相談する姿勢でお願いしてみましょう。

また、書き直しを依頼する場合は、「修正・追記の依頼書」として、どの項目をどう修正してほしいかを整理した文書をあらかじめ用意しておくとスムーズです。口頭で説明するだけでは意図が伝わらないこともあるため、書面で示すことで医師にも理解してもらいやすくなります。

たとえば、初診日の記載が異なっている場合には、「受診状況等証明書」などの参考資料を一緒に提示すると、医師が正確な日付を再確認しやすくなります。

料金については、軽微な修正であれば無料で対応してもらえることが多いですが、医療機関の方針によりますので、事前に医療機関に確認しておきましょう。

診断書の修正は、時間も費用もかかる場合があるので、最初の診断書依頼時にしっかり情報を伝えることが、二度手間を防ぐ大きなポイントです。

「先生に書き直しを頼みにくい…」そう感じる方も多いと思います。でも、大事なことだからこそ、医師としっかり話し合いましょう。

社会保険労務士梅川 貴弘

社会保険労務士
梅川 貴弘

診断書の依頼前にやっておくべき準備

診断書の内容は、障害年金の支給の可否や等級に大きく影響します。だからこそ、依頼する前の段階でどれだけ準備をしておけるかが非常に重要です。

まずは、初診日が分かる「受診状況等証明書」通院歴日常生活での困りごとをメモにまとめておくことをおすすめします。こうした情報を整理しておくことで、医師も判断しやすくなり、診断書の精度が高まります。

また、診断書の内容を左右するのは、日常生活での具体的な支障や支援の有無といった「生活の実情」です。

診断書の裏面にある「日常生活能力の判定」では、食事・清潔保持・金銭管理・通院と服薬など、7つの生活場面ごとに評価されるため、それに沿って「できないこと」や「苦手なこと」を伝えるのがポイントです。

たとえば、「1人での買い物が難しい」「入浴は数日に1度しかできない」「部屋の片づけができず散らかっている」「お金のやりくりができない」など、具体的なエピソードを交えて伝えることで、医師にも実態が伝わりやすくなります。

診断書の「日常生活能力の判定」については「一人でできるか」という視点から、判断します。家族と同居している方は、単身生活を想定して、伝えてみましょう。

障害年金業務責任者綾部真美子

障害年金業務責任者
綾部真美子

ただ、限られた診察時間の中で、自分の困りごとをうまく言葉にできないこともありますよね。

そのようなときは、家族に同席して説明してもらったり、事前に困りごとをメモにまとめて医師に渡したりするのも良い方法です。

一度書かれた診断書を、あとから修正してもらうのは、それほど簡単なことではありません。だからこそ、最初の段階で丁寧に準備し、医師に的確な情報を伝えることが、スムーズな障害年金申請への第一歩となります。

まとめ

障害年金は、診断書の内容によって、受給の8~9割が決まると言っても過言ではありません。

医師が書いたものだからといって安心せず、中身をしっかり確認することが大切です。

診断書の中で、日常生活状況や就労状況などが実際と違うと感じた場合には、そのまま提出せず、医師に修正を依頼してみましょう。

しかし、最も重要なのは、診断書を依頼する前の準備です。あらかじめ自分の生活状況や就労状況を振り返り、受診状況等証明書などと併せて情報を整理しておくことで、医師の判断材料として役立ち、正確な診断書作成につながります。

もし「自分でできるか不安」「どう進めたらいいか分からない」と感じたら、障害年金に詳しい社労士に相談するのもひとつの方法です。

無理をせず、専門家の力を借りながら、安心して手続きを進めていきましょう。

「診察のとき、緊張してうまく話せない」「先生の前では“特に変わりません”ってつい答えてしまう」・・・そのような方はとても多いです。手続きに不安がある方は、どうぞ当事務所へお気軽にご相談ください。

社会保険労務士梅川 貴弘

社会保険労務士
梅川 貴弘

診断書訂正についてのよくある質問

Q 診断書の封筒に「緘(かん)」と書いてあります。開封したら無効になりますか?

いいえ、開封しても無効にはなりませんのでご安心ください。

「緘(かん)」とは、封をしたことを示す漢字ですが、中身を確認してはいけないという意味ではありません。むしろ、診断書は受け取ったら開封し、必ず中身を確認することが大切です。

Q 出来上がった診断書は、どこを確認すればよいですか?

障害年金の診断書は、どの項目も審査に関わる重要な情報です。特に障害年金の認定に直結する「傷病名」「初診日」「現症日」「日常生活状況」「就労状況」を重点的に確認しましょう。

Q 診断書に誤りがあると気づきました。どうすればいいですか?

診断書を受け取って内容を確認し、「実際の状態と違う」と感じたら、提出前に医師に修正をお願いしましょう。その際、どの点を修正してほしいかを書類にまとめ、医師に渡すとスムーズです。

Q 診断書を書き直してもらったら、訂正印は必要ですか?

診断書の訂正に再度の押印は必要ありません。内容が明確なら、それだけで有効です。

Q 医師が診断書を書き直してくれません。どうしたらよいですか?

診断書の内容に誤りや事実との違いがある場合でも、医師が必ずしも訂正に応じてくれるとは限りません。

まずは、「実際の状況と記載内容に違いがあること」を、できるだけ具体的に、丁寧に伝えてみましょう。自分で説明するのが難しいときは、家族に同席してもらう、あるいは生活の実情を簡単なメモにまとめて医師に渡すのも有効です。

大切なのは、一方的に訂正を求めるのではなく、医師とコミュニケーションを取りながら進めていくことです。

当事務所の受給事例

T様は、職場での人間関係に悩み、うつ病を発症。通院や休職を経てご自身で障害年金の申請手続きを始めたものの、診断書の内容に不安を感じ、当事務所にご相談いただきました。日常生活の実態を反映した報告書を作成することで、医師の認識とのギャップを埋め、無事に障害厚生年金3級の受給につなげることができました。

長年にわたり双極性障害に悩まされていたA様は、障害年金の手続きを自ら進めていました。主治医に診断書を作成してもらったものの、そのまま提出して良いか不安になり、ご相談いただきました。社労士が内容を精査し、訂正アドバイスを行った結果、障害基礎年金2級の受給が決定した事例です。

ADHDを抱えるN様は、以前ご自身で障害年金を申請するも「症状が軽い」とされ不支給に。現在は就労も困難となり、再度の申請を検討。当事務所では、前回の書類との整合性をとりつつ、医師への報告書を用意し、障害基礎年金2級の受給につなげました。

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