ご依頼の経緯
N様は幼い頃から周囲との関係づくりに難しさを感じ、孤立することが多くありました。大学進学後も講義への出席が困難で、学生相談室に通いながら特別な配慮を受けて生活していました。大学在学中に心身の不調を訴えてメンタルクリニックを受診し、初診時には不安障害との診断を受けました。その後も他人の評価を過剰に気にしてSNSの確認行為がやめられないなどの症状が続き、医療機関で検査を受けたところ、ASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。
大学卒業後は就職するも、臨機応変な対応が難しく、すぐに離職。現在は、うつ病の診断も受け、日常生活のあらゆる場面において母親の援助を必要としています。将来を案じたお母様から、「障害年金の申請をしたいが何をどう進めればよいか分からない」と、当事務所へご相談をいただきました。
担当社労士のコメント
今回のケースでは、遡及請求が認められる可能性があるかどうか、まずは大学在学中の状況整理から始めました。N様は当時、通院しており、学生相談室の支援を受け、座席の場所など細かな配慮を受けながら通学していたことが分かりました。これらの状況から、障害認定日時点でも日常生活における支障が大きいと考え、遡及請求が認められる可能性があると判断しました。その上で、当時の生活実態を詳細に報告書にまとめ、認定日時点の医療機関に提出し、診断書を依頼しました。
また、現在の状況についても、お母様からのヒアリングを中心に情報収集を行いました。N様は日常生活のあらゆる場面でサポートを必要とされており、食事、服薬管理、通院、対人対応、家事全般など、母親の助けがなければ生活が成り立たない状況でした。お母様も仕事をされていたため、ヒアリングは主にメールを活用して丁寧に進めました。
障害認定日時点と現在の診断書を含む書類一式を提出した結果、障害基礎年金2級が認定され、さらに約400万円の遡及支給も認められました。療養生活の経済的基盤が整い、将来への不安が少しでも軽減される結果となりました。
お客様からのメッセージ
「娘のことを考えると心配は尽きませんが、障害年金が受給できることで少し安心しました。これまでの努力が報われた気がしますし、今後も更新のときにはぜひまた相談させていただきたいです。」
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。