ご依頼の経緯
K様(30代・男性)は、発達障害の特性により職場でのコミュニケーションや業務の優先順位付けに強い困難を抱えておられました。これまで何度も就職を試みてきたものの、人間関係のストレスや業務上のミスが重なり、長く勤務を続けることができず、短期間での転職や退職を繰り返している状況でした。
「今度こそ頑張ろう」と新しい職場へ入っても、環境の変化に強い負担を感じてしまい、体調を崩して退職する流れが続いていたそうです。収入面も不安定になり、将来への不安が大きくなっていく中で、通院先の主治医から障害年金制度について説明を受け、社労士へ相談してみてはどうかと勧められたことがご相談のきっかけでした。
今回のケースでは、精神薬の処方量が少ないことが懸念点でした。このままでは審査で「症状が軽い」と判断されかねないリスクがあります。
そこで当事務所では、診断書上で処方薬についての背景事情を適切に伝えることが重要だと判断し、医療機関とも丁寧に連携を取りながら申請準備を進めていくことになりました。
担当社労士のコメント
今回のケースでは、「精神薬の処方量」が大きなポイントでした。
障害年金の審査では、診断書に記載された治療内容や投薬状況も確認されます。K様の場合、精神薬の処方量が比較的少ない状態で推移していました。そのため、処方量だけを見ると「症状が軽いのではないか」と受け取られてしまう可能性があります。
しかし実際には、副作用への配慮や体質的な問題、薬剤調整の必要性などから、あえて慎重に少量で治療を継続している方も少なくありません。
つまり、“薬が少ない=軽症”とは限らないのです。
ただ、この事情が診断書や申立書に十分反映されていなければ、審査側へ正確に伝わらない可能性があります。
そこで今回は、医療機関へ処方薬に関する背景事情を丁寧に共有し、「現在も薬剤調整中であること」「処方量のみで症状の軽重を判断できないこと」を診断書へ反映していただけるよう調整を行いました。
さらに、病歴・就労状況等申立書では、K様が実際にどのような困難を抱えていたのかを時系列で整理しました。
特に、実際の就労経過に沿って「職場で指示理解に時間がかかる」「マルチタスクができない」「仕事が続かず、転職を繰り返している」といった点を具体的に記載しました。
このように、「薬の量」「就労歴」「一見すると働けているように見える時期」など、審査上マイナスに見えやすい要素があるケースでは、その背景事情を整理せずに申請してしまうと、本来認められるべき状態であっても適切な評価につながらないことがあります。
そのため、障害年金申請では、単に書類を集めるだけではなく、“審査側にどう伝わるか”まで見据えて準備することが大切です。
今回のケースでは、診断書と申立書の内容を丁寧に整合させながら進めたことで、障害基礎年金2級に加えて約300万円の遡及請求も認められました。
お客様からのメッセージ
これまで何度も転職を繰り返していて、「自分が悪いのかな」と思いながら働いてきました。みのり社労士事務所さんで丁寧に話を聞いてもらい、過去の転職歴や当時の困りごとを一緒に整理してもらえたことで、「こういうことも障害の影響だったのか」と改めて気づく部分もありました。
無事に障害年金が認められ、さらに遡及分までもらえたことで、経済的な不安がかなり軽くなりました。今は焦って無理に働こうとするのではなく、まずは治療に専念しながら今後を考えようと思います。
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