ご依頼の経緯
Y様(50代・女性)は、離婚を機に心機一転、新しい生活を始めるため転居し、新たな職場で勤務を開始されました。しかし、慣れない環境での生活や仕事へのプレッシャーが重なり、徐々に不眠や気分の落ち込みなどの症状が現れるようになりました。精神科を受診し治療を開始しましたが、症状は改善せず、休職と復職を繰り返す状態が続いていました。
このままでは休職期間満了により退職せざるを得ない状況となるなか、傷病手当金も支給期間の終了が近づき、今後の生活費や治療費についても大きな不安を抱えておられました。
障害年金という制度を知ったものの、「自分が対象になるのか分からない」「何から手続きを始めればよいのか分からない」と感じ、インターネットで調べる中で当事務所のホームページをご覧になり、ご相談いただきました。
担当社労士のコメント
今回のケースでは、初診日が約10年前であったものの、初診から現在まで同じクリニックへ継続して通院されていたため、初診日の証明については大きな問題はありませんでした。
一方で、重要なポイントとなったのは、遡及請求が可能かどうかの判断でした。
障害年金では、障害認定日時点の病名や病状が審査の重要な判断材料となります。Y様について医師へ確認したところ、障害認定日時点の診断名は現在の「うつ病」ではなく「適応障害」とのことでした。適応障害は原則として障害年金の対象外のため、当時の状態で遡及請求を行っても認められる可能性は低いと判断しました。
可能性の低い申請を進めることは、時間や費用の負担が増えるだけでなく、受給開始までの期間が長引いてしまうおそれもあります。そのため、Y様へ現在の状況を丁寧にご説明し、ご理解いただいたうえで、現在の症状を基準とする事後重症請求で進める方針としました。
また、Y様は傷病手当金を受給中であり、障害年金の受給開始時期によっては傷病手当金と重複期間が発生する可能性がありました。そのため、併給調整についてご説明したところ、「調整があっても構わないので、収入が途切れる期間をできるだけ短くしたい」とのご希望をいただきました。
そこで、できる限り早期に申請できるよう準備を進めました。診断書の作成にあたっては、医師が日常生活の状況を正確に把握できるよう、Y様へのヒアリング内容を詳細にまとめた報告書を作成しました。
Y様は、家事全般をほとんど行うことができず、掃除もできないため、自宅にはゴミが溜まってしまう状態でした。また、ご家族や友人から病気への理解を得られず、周囲に頼れる人も少ない中で孤立した生活を送っておられました。
このような日常生活上の支障を具体的に整理した資料を医師へお渡しし、診断書を作成していただきました。完成した診断書は速やかに内容を確認し、必要書類とともに日本年金機構へ提出しました。
結果として、障害厚生年金3級の受給につながりました。
お客様からのメッセージ
遡及請求が難しい理由や、傷病手当金との関係についても分かりやすく説明していただき、自分に合った方法を提案してもらえたので安心してお任せすることができました。
申請まで思っていたよりも早く進み、とても驚きました。自分ではここまで対応することはできなかったと思うので、お願いして本当に良かったです。
※プライバシー保護のため、一部内容を変更・加工して掲載しています。
