社会保険労務士
梅川 貴弘
うつ病などの精神疾患を抱えて、働きたくても働けずに困っている人たちに向けて障害年金の請求代行サポートを開始。
現在は、社会保険労務士6名、日本年金機構勤務経験者4名の専門チームで、全国のうつ病等で悩む方々の障害年金請求手続きを支援している。
[うつ病などの障害年金請求代行]
障害年金の申請(請求)は自分でもできる?とお悩みの方へ。自分で手続きを進める際の流れや申請が難しいとされる4つの理由、自分でできるケース、さらに社労士に依頼した方が安心なケースまで専門の社労士がやさしく解説します。
障害年金を自分で申請する場合、おおまかに次のようなステップで進めます。

STEP1. 初診日を特定する
最初に行うのが、初診日の確認です。
初診日とは、障害の原因となった病気やケガで、初めて医師等の診療を受けた日のことを指します。
障害年金では、この初診日が非常に重要です。
なぜなら、初診日にどの年金制度へ加入していたかによって、障害基礎年金になるのか、障害厚生年金になるのかが決まるためです。また、次の保険料納付要件の確認にも関わります。
STEP2. 保険料の納付要件を確認する
障害年金は、初診日の前日までに、年金保険料を一定期間以上納付している必要があります。
STEP1で特定した初診日をもとに、納付要件を満たしているかどうかを、年金事務所で確認します。保険料納付の条件に問題がなければ、申請に必要な書類一式も受け取りましょう。
保険料の納付要件について、詳しくは以下の記事を参考になさってください。
STEP3. 「受診状況等証明書」を依頼する
「受診状況等証明書」とは、障害年金の初診日を証明する書類です。
初診の医療機関に作成を依頼します。
初診と診断書を書いてもらう医療機関が同じ場合は、受診状況等証明書は不要です。
カルテが破棄されてしまっていたり、医療機関が閉院していたりする場合に、証明書を添付できない場合は、別の方法で初診日を証明する必要があります。詳しくは、以下の記事を参考になさってください。
STEP4.「診断書」を依頼する
障害年金用の「診断書」作成を医師に依頼します。
診断書は障害の種類によって8種類の様式に分かれています。いつの時点のどの様式が必要になるかは、あらかじめ年金事務所で確認しておくとスムーズです。
この診断書は、障害年金の審査において非常に重要な書類です。障害年金の審査は原則として「書類審査」のみで行われるため、どんなに症状が重く苦しくても、診断書に実際の症状が正しく反映されていないと「障害の程度が軽い」と判断されてしまうおそれがあります。
医師に診断書を作成してもらう際は、普段の診察では伝えきれていない「日常生活での困りごと」や「仕事への影響」を共有し、現状をしっかり診断書に反映してもらうことが大切です。具体的な依頼のコツについては、以下の記事も参考になさってください。
STEP5.「病歴・就労状況等申立書」を作成する
発病から現在までの経緯や、日常生活の困りごと、就労状況をご自身(またはご家族)の言葉で時系列に整理して記入します。
傷病によって日常生活や仕事にどのような制限があるか、「一人では何ができないのか」「周りからどのようなサポートを受けているか」を具体的に記載することがポイントです。
また、他の提出書類との整合性を保つことも重要です。「受診状況等証明書」や「診断書」の記載内容と矛盾がないかを必ず確認しましょう。
STEP6.必要書類を提出する
年金請求書や振込先口座の通帳コピー等、指定された書類をすべて揃えて年金事務所などへ提出します。
提出後、審査結果が出るまでには通常3ヶ月ほどかかります。
障害年金の申請は、多くの書類を準備する必要があります。ただし、申請する人の状況や傷病の内容によって、必要となる書類は異なりますので、事前に年金事務所などで確認しておくとよいでしょう。
社会保険労務士
梅川 貴弘

障害年金は、一般的な行政手続き(各種手当の申請など)や老齢・遺族年金の申請などと比べて「難易度が高い」と言われています。それには主に4つの理由があります。
障害年金には「こういう状態なら何級に該当する」という細かな「障害認定基準」が定められています。しかし、この基準を一般の方が正確に読み解くのは簡単ではありません。
また、申請の要となる「初診日」をいつと捉えるかによって受給できる年金の種類や金額が変わるため、正しい専門的判断が求められます。
自分で作成する「病歴・就労状況等申立書」は、数年〜数十年分の病状や通院歴、生活・就労への影響を具体的に書く必要があります。当時の記憶を思い出しながら文章にまとめる作業は、想像以上に根気と労力がかかり、心身の大きな負担となることも少なくありません。
年金事務所へ何度も足を運んだり、病院へ書類を依頼しに行ったりと、申請完了までには多くの時間と体力を消耗します。体調が優れない方にとって、この手続き自体が大きな精神的・身体的ストレスになってしまうことがあります。
障害年金は「書類審査」のみで行われます。面接などで直接困りごとを伝える機会はありません。
そのため、もし診断書や申立書に実態と異なる記載があったり、必要な主張が漏れていたりすると、本来よりも等級が低く認定されたり、却下や不支給となったりすることがあります。

手続きが複雑な障害年金ですが、以下の条件が揃っている場合は、ご自身で申請を進められるケースと言えます。
①障害年金の制度や「障害認定基準」について、知識・理解がある
ご自身で、制度の仕組みや国の定める障害認定基準などをしっかり調べて理解できている場合です。
②初診の病院と現在の病院が同じ(通院歴がシンプル)
ずっと同じ医療機関に通い続けている場合、初診日の証明や過去の記録の確認に手間がかかりません。
③ご自身やご家族に手続きのための時間と体力がある
年金事務所への訪問(通常、複数回必要です)や書類の作成・収集を、ご自身のペースで進められる環境がある場合です。
④主治医としっかりコミュニケーションがとれている
日頃から日常生活の困りごとを医師に伝えられており、実態に即した適切な診断書を作成してもらえる信頼関係ができている場合です。
費用(社労士への報酬など)がかからない
医療機関への書類作成料などの実費のみで申請できるため、出費を最小限に抑えられます。

一方で、以下のようなケースに当てはまる場合は、自分で進めるよりも障害年金を専門に扱う社会保険労務士(社労士)への相談をおすすめします。
経済的な理由や仕事の都合などで「1日でも早く年金を受け取りたい」という方は多くいらっしゃいます。
ご自身で一から手続きを進めると、書類作成に迷ったり年金事務所の予約待ちなどで何ヶ月も停滞してしまうことがあります。社労士に依頼することで、提出までのタイムロスをできる限り減らし、スムーズな申請を目指せます。
年金事務所へ何度も足を運んだり、膨大な文章を書いたりすることは、体調が優れない方にとって大きな負担になります。書類作成のストレスで症状が悪化してしまうこともあるため、周囲に手伝える方がいない場合は無理をせず専門家を頼るのが安全です。
「初診の病院が廃院してしまった」「カルテが廃棄されていて証明書を取得できない」というケースです。このような場合、別の資料(診察券やお薬手帳、第三者の証明など)を使って初診日を証明するノウハウが必要になります。
精神疾患(うつ病・双極性障害など)の場合、検査数値などの客観的なデータで症状を表すことができません。そのため、「日常生活でどれだけ援助が必要か」を書類上で正しく伝える必要があります。
また、ご自身で記入した申立書の内容と診断書の内容に食い違いがあると、審査が長引いたり、実態より軽度だと判断されたりするリスクがあります。
遡及請求は、受け取れる金額が増える可能性がある一方で、書類の取得や内容の整合性に高度な判断が求められます。また、遡及請求は基本的に一度しか行えないため、より慎重な準備が必要です。
遡及請求についての条件や注意点については、以下の記事を参考になさってください。

「自分でやるか、社労士に頼むか」で迷われている方のために、専門家に依頼することでどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
年金事務所への相談・訪問、病歴・就労状況等申立書の作成など、申請に関わる大部分の手続きを代理・サポートしてもらえるため、療養に専念できます。
「初診日の証明ができない」といった難しいケースでも、経験をもとに代替書類や過去の記録から初診日を立証する対応策を検討してくれます。
医師への診断書依頼の際のアドバイスや、診断書と申立書の内容にズレがないかの確認を行うため、ご自身の病状や日常生活への影響を正しく反映した書類で申請できます。
障害年金に詳しい社労士は、審査基準や重要なポイントを熟知しています。
書類の不備による「不支給」や本来認められるはずの等級よりも低く認定されてしまうといったリスクを抑えることができます。
自分で手続きを進める場合、情報収集に時間がかかったり、何度も年金事務所へ足を運んだりするため、申請までに半年以上かかってしまうケースも珍しくありません。
一方、社労士に依頼した場合、初回相談から申請完了までの目安はおおよそ2〜3か月です。
早く申請できるということは、早く受給につながるということです。
特に事後重症請求では、申請した翌月からが支給対象となるため、申請が遅れる分だけ受給額にも影響します。
障害年金は有期認定となることが多く、定められた期間ごとに更新手続きが必要です。
初回認定時に社労士に依頼していれば、更新の際にも相談することができ、将来的にも安心して手続きを進められます。
当事務所では、障害年金サポートを受けたお客様に限り、無料で「更新サポート」を提供しています。将来的にもお客様が安心して手続きを進められるようお手伝いしています。
社会保険労務士
梅川 貴弘
なお、社労士の選び方や費用については、以下の記事でわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

自力で申請して不支給(却下)になった場合でも、すぐに諦める必要はありません。まずは、「不支給(却下)決定通知書」に書かれている理由を客観的に分析し、「どこに原因があったのか」を特定する必要があります。
主な理由としては、以下の3つが挙げられます。
①初診日を特定できない
②保険料納付要件を満たしていない
③障害の程度が軽い
これらの理由を理解し、どの部分が問題だったのかを特定することが、今後の対応に繋がります。もし、支給決定に変わる可能性がある場合は、「不服申立て」や「再申請(再請求)」を検討しましょう。
障害年金を申請した結果が不支給だったり、決定した等級に納得がいかなかったりするときは「不服申立て」をすることができます。
ただし、一度決定された結果をくつがえすためには、審査をする側が納得できるような客観的な証拠や資料を提出することが求められます。
どの点を立証すれば不服が認められるのかを明確にし、適切な書類を整えて進めていくことが重要です。また、手続きには時間的な制約もありますので、速やかに対応する必要があります。
障害年金は、不支給になっても「再申請」をすることが可能です。その場合は、診断書などの申請書類を一から取得しなおし、改めて申請の手続きを行います。
ただ同じように再申請してもまた不支給となってしまう可能性が高いため、不支給の理由を確認し、その理由に基づいて適切な対策を取ることが必要です。
一度不支給になった決定を覆したり、再度申請し直して受給に繋げたりするには、最初の申請以上に高度な専門知識が必要になります。だからこそ、初回の申請をいかに慎重かつ確実に行うかが何よりも重要です。
障害年金の申請は、制度が複雑で書類も多く、決して簡単な手続きではありません。
制度の仕組みや認定基準を理解しており、通院歴がシンプルな方は、ご自身で申請を進めることで費用を抑えることができます。
しかし、「初診日の証明ができない」「書類を書くのがつらい」「途中で手続きが止まってしまった」とお悩みの方は、障害年金を専門とする社労士に相談することをおすすめします。まずはご自身の体調を一番に考え、無理のない方法を選んでいきましょう。
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体調がすぐれないなかで動くのはとても大変ですよね。 不安を抱えてひとりで悩まず、まずは一度、当事務所へご相談ください。
梅川 貴弘
はい、ご家族の方が代理で手続きを行うことが可能です。
体調が悪くご本人が年金事務所へ行くことや書類作成をすることが難しい場合、ご家族(配偶者や親族など)が代行して相談や申請を進めることができます。代理で手続きを行う際は、委任状やご本人との関係が証明できる書類(戸籍謄本など)が必要になります。
就労しているからといって、必ずしも不支給になるわけではありません。
ただし、精神疾患(うつ病や双極性障害など)の場合は就労状況も審査で重視されるため、仕事の内容や職場で受けている援助の実態などを申請書類に記載し、どのような制限のもとで働いているのかを伝えることが重要です。
はい、障害者手帳を持っていなくても障害年金の申請は可能です。
障害年金と障害者手帳は、全く別の制度です。手帳をお持ちでない方でも、障害年金の受給要件を満たしていれば受給することができます。
はい、あらためて申請をすることが可能です。
過去に不支給の決定が出てしまった方でも、理由を分析して書類を整え直すことで再度申請することができます。 ただし、支給が認められることは容易ではなく、初回の申請から入念な準備をすることが重要です。
どちらで申請しても、年金額は変わりません。
社労士に依頼したからといって、年金の支給額自体が変わるわけではありません。
ただし、社労士に依頼すると、自分で手続きするよりも早く申請できることが多く、その分早く受給につなげることができます。